すごく悔しい思いをした。

 

今日、とてもとても、言葉にならない程悔しい思いをしました。

 

実を言うと、昨日から今日まで2日間に渡り、ALS(二次救命処置)のワークショップに参加者として参加してきました。

 

今日は、そのワークショップでの貴重で一生忘れることのないであろう体験についてお話していこうと思います。

 

まず、今日話す内容を以下にまとめます。

  1. ALSってそもそも何?
  2. ワークショップではどんなことをしたの?
  3. ワークショップでの体験
  4. 思ったこと

 

1.ALSってそもそも何?

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ALSとは、BLS(一時救命処置)で自発的な心拍の再開が見られなかった患者に対して行われる、病院内での処置のことを言います。

今回はBLSの説明は省きます。(別日に書くかもしれません👏)

 

ドラマとかで見られる、救急車で救命救急センターに運ばれてくる患者さんを処置する光景をイメージしてもらえるといいかと思います。

(場が騒然として、みんなあっちこっち行って、あれこれ処置してるイメージ。。。💭)

心臓が通常の動きと異なる患者さんにバァンッ!!ってショックとかしてますよね、、、あんな感じです。

 

2.ワークショップではどんなことしたの?

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今回私が参加したワークショップでは、主に交通事故イベント中急に倒れたなど様々な患者さん(もちろん人形)のシナリオが用意され、それにチーム8人で対応するという感じで進行していきました。

チームでは一応役割分担があり、

  • リーダー(指示する人)
  • 除細動(ショックをバンッ!!って与える人)
  • 薬剤(薬剤投与する人)
  • 換気(呼吸器付けて空気入れたりする人)
  • 換気補助(換気係の補助する人)
  • 記録(患者情報や進行状況を記録する人)
  • 胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージをする人)
  • リベロ(何でも屋。色んな人の助けをする人)

という感じです。段々慣れてくると誰が何の役割かってあんまり関係なくなってきて、みんなでみんなをフォローするって感じになるんですけどね☺️✨

ワークショップでは偽物ではあるものの、ホンモノそっくり!の機材を扱うことができ、患者である人形も呼吸出来たり、脈拍打ったりで結構リアルです。

もうほんとに、臨場感たっぷり。笑

実際の現場のように(?)緊張感ある中、みんな全力で、本気で取り組みます。

 

3.ワークショップでの体験

で、ワークショップでどんなことを体験してきたのか。

ここからが本題です。

まずは患者のシナリオから。

"17歳女性。交通事故に遭い救急搬送後処置を行い一時心拍再開したものの、再び急変し処置を行うことに。"

心拍再開とは、心臓のリズムが通常に戻ったことを指します。(専門用語ではこれを「ROSC(ロスク)がみられた」と表現します)

 

私はこの時、「リーダー役」でした。

 

まずはいつも通りの処置を指示。2分経過ごとにリズムチェックといってリーダーが脈拍を触知します。

波形Asystole(エーシストリー)でした。

Asystoleとは、心停止状態のことを指します。

また2分経過でリズムチェック。

変わらずAsystole。

再び2分経過でリズムチェック。

やはりAsystole。

これを7回繰り返します。

ということは、1回目のリズムチェックから開始14分経過。

 

 

…………あれ??

 

え、もしかして、、、

 

14分も心停止状態。これは…

 

「助からないかもしれない」

 

一瞬、絶望的な言葉が頭によぎります。

チームのみんなは困惑した模様。

その時です、4年生の医学科の先輩は言いました。

「まだ頑張れる。諦めたらダメだよ」

その言葉にハッとして、リーダーである私は気を取り直します。

「みんな、頑張ろう!!」

と気を取り直してリーダーの私はみんなに声がけします。

 

しかし、時間は刻々と過ぎて行きます。

 

有効な情報は得られず…

学生のシミュレーションのワークショップなので処置も型通りのことしか出来ない…

 

私たちに出来ることは、胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけでした。

 

そのままリズムチェック→Asystoleを繰り返し、なんと40分経過。

 

 

「リーダー、どうしますか」

 

 

とチームのメンバーが聞きます。

 

私は、リーダーとして、判断を迫られました。

 

胸骨圧迫を中止してしまえば、患者さんの心臓はもちろん停止してしまいます。

 

どうするべきか………

 

しかし、一生胸骨圧迫を続けられるわけもなく。

 

どうしよう。

こんな言葉で片付けたくない、でも……

 

仕方なかった。

 

私は以下のようにチームの全員に向かって冷静に言います。

 

「60分経過で一度胸骨圧迫を中止し、死の3兆候を一度確認します」

 

死の3兆候とは、

  • 瞳孔の散大
  • 心停止
  • 呼吸停止

の3つの兆候を言い、死亡判定に用いるものです。

続けてこう述べます。

 

「60分で確認後、胸骨圧迫を再開し、70分まで継続後、再度死の3兆候を確認し、判断を確定します」

チームで意見をまとめ、患者さんの家族役の人たちの所へ行って私ともう一人で同じことを説明しに行きます。

 

こんなこと、言いたくなかった。

 

でも……

でも、自分たちに出来ることは、もうない。

 

状況を家族の方に伝え、胸骨圧迫したまま60分が経過し、そこでワークショップは終了となりました。

 

4.思ったこと

今回は、シュミレーションではあったものの、初めて生き返らない患者を前に処置しました。

臨場感溢れる現場の中、今回のワークショップ体験後チームみんなで控え室に戻ります。

 

患者さんを助けられなかった……

 

自分たちに、果たして何が出来たのだろう。

 

控え室は、どんよりした空気になりました。

 

"心停止のまま、胸骨圧迫をいつまで続けるか"

 

これは大きな問題です。

 

そうです。答えの出ない、大きな問題なのです。

 

あなたがもし、医療従事者だったらどうしますか?

 

あなたがもし、患者さんの家族だったらどうしてほしいですか?

 

私は、何も考えられませんでした。

 

救命を諦めなくてはならないことが、

 

ただただ、悔しかった。

 

 

それに尽きます。

 

 

今回、このような有難い体験を出来たことに心から感謝するばかりです。

 

将来自分が看護師になった時。

 

この悔しさは、いつも経験するものなんだと思います。

 

ただ、大事なのは、

 

それでもやっぱり、諦めないこと。

 

これくらいしか、私たちには出来ないのかなと思いました。だからこそ、諦めたくないからこそ、手を尽くして日々努力、精進していくしかないのかなと。

 

答えの出ない問題。

 

ナイーブだし、話しづらい。

 

そんな内容であるからこそ、話す必要ってあると思うんですよね。

 

ぜひ皆さんにも、

"自分の家族や大切な人がこうなったら、自分がこうなったら、どうして欲しいか"

ということを考えて頂きたいと思います。

実際の現場になると、100%パニくるので。

そして、何分かで判断なんて絶対出来ないと思います。

だからこそ、今のうちから考えて頂きたい。

答えは出ないけれど、それでも、考えてみてください。